先日兄さんへ作る最後のお弁当だった。
お弁当については書きたいことがたっくさんある。
少し長くなりそうだが、今の気持ちを思い出として綴っておこう。
兄さんは高校入学と共に寮生活が始まった。
2年生の夏を前に家族で話合い、家からの通学に切り替えることになった。
その理由は様々にあったが、兄さんが自分のために決めた前向きな決断だった。
それから始まったお弁当生活。
当時は2lのお弁当箱にこれでもかと白米を詰めて
おかずも何種類と詰め込んで持たせた。
炊飯器は足らなくなり、5合炊きを2つ並べて毎日のお弁当作りを乗り切る。
大切な試合の日、今日は頑張りたいとき。
そんな日は決まって瓦そばをリクエストしてきた。
最後の試合の日も、瓦そばだった。
いつ、リクエストが来てもいいように我が家の冷蔵庫には必ず
三浦製麺の瓦そばがスタンバイしてあった。
夜部活を終えた兄さんを駅まで迎えにいく。
表情で今日がどんなだったかが分かる。
ぶっきらぼうにカバンを投げ入れどかっと座り家まで無口なこともあったし、
今日さめっちゃ打ってさ!いいプレーしてさ!と、
嬉しそうにずっと試合の話を聞かせてくれる日もあった。
きっと今苦しんでるな〜。悩んでるな。
兄さんの気持ちが手に取るように分かる帰り道。
そんな日の翌日はいつもより早く起きて、大好きなおかずをいっぱい入れる。
がんばれ。がんばれ。親はそんな風に見守る事しかできないから、
お弁当にありったけの、「がんばれ」を込めて。
部活が終わってからはお弁当箱はびっくりするほど小さくなった。
それでも好きなものは変わらない。
そしていつもありがと〜と少し
テンション高めに伝えてくれる優しさもずっと変わらなかった。
私の作るお弁当は、兄さんが幼稚園の頃からずっと同じだ。
ママの作るお弁当は地味弁だから!とよく言ってた。
野菜のおかずと甘い卵焼き。そして茶色いおかずと魚。
普通のなんでもない、私の地味弁。
あの日、この日。
お弁当には沢山の思い出が詰まってる。
終わってしまえば、あっという間で大変さよりも
お弁当を作らせてくれてありがとう、という気持ちしかないな。